2015/09/13

ESO 04 チャイマーの幽霊兵

【リヴィーネの手記】

 人々が戦闘の勝利に歓声を上げている中、落ち着いた声が「残影よ」と私を呼んだ。預言者だ。周囲の人が何の反応も示していないため、どうやら私にしか見えていないらしい。
 彼は、話し合うために彼の元へ来てくれと言ってきた。安全な場所、Davon's Watch西方の崖にある遺跡にいるとのことだ。



 言われた通り西方に向かっている途中で、奇妙なものに遭遇した。戦場を幽霊の兵士が埋め尽くしているのだ。近付くと襲ってくる。こんなに密集されていては、隠密で突破するのも難しい。遠回りすれば何とかなるだろうがどうしたものかと思案していると、安全そうな場所で野営をしているノルド・ダンマー・アルゴニアンの兵士達を見つけたので、話を聞いてみることにした。



 この部隊の指揮官であるSergeant Rhorlakと話すことができた。戦場に満ちているこの幽霊達はカバナントを打ち倒してはくれたが、彼らのことも無差別に襲うので困っているようだ。FuronとReesaの両名にそれぞれ考えがあるが、どちらの考えがより良いのか分からないので手を貸してほしいとのこと。



 ちなみに、HolgunnらDavon's Watch市街の防衛軍の安否を気にしていたので、私も手を貸してカバナントの襲撃を乗り切ることができたと伝えると喜んでくれた。口は悪いが、仲間思いのいい人なのだろう。



 まずFuronと話せと言われたため、ダンマーのFuron Riiと話をした。彼はこの幽霊について詳細な説明をしてくれた。彼らはダンマーの祖である古代のチャイマーの軍隊で、レッドマウンテンの戦い以前の者の幽霊らしい。彼の兄弟のGironは、これらの死者をコントロールして街の防衛に充てようと計画しているので、その大規模な儀式を行う前に私に手法のテストをしてほしいということだ。くすんだペンダントを渡され、それで霊魂を束縛し、成果を報告しろとのこと。

 ペンダントは説明された通りの効果を発揮した。幽霊兵をこちらの意のままに従わせることができたのだ。これは試験用のものだったので、あくまで一時的にだが。Gironの理論は上手く働きそうだが、結論を下す前にReesaの話も聞かなければならない。中立性というものは大切だ。




 アルゴニアンのReesaは、Riiの計画は死者を奴隷とする邪悪なものであるゆえ採択するべきではなく、霊魂を解放することが望ましいと言った。彼女がくれたタリスマンの魔力を試してみると、実際に死者の一人は霧散した。向こうの世界へ行ったのだろう。



 そうやって二人の提案について思案しながら戦場を潜み歩いていると、奇妙な様子の者を見つけた。アルゴニアンの幽霊だ。敵意はなさそうなので近付いて話を聞いてみると、何と、チャイマーの奴隷となっていたアルゴニアン達が未だに囚われ、無慈悲な主人に従わされているそうだ。


 死してもなお奴隷とされるのはあまりにも悲惨だ。私は彼女らの願いを聞き入れ、奴隷の主人達を打ち倒し、アルゴニアンの霊魂達を解放した。


 Ix-Uthaが最後に言っていた、パクトの三種族の結びつきは脆弱なものであり、アルゴニアンに対して非道が行われてきた歴史を忘れてはならないという言葉が耳に残っている。
 ……実は、エボンハート・パクトやカバナントが何なのかすらまだよく分かっていないのだけど。これまで聞く機会を逃してしまった。
 とにかく、彼女らの魂が無事にエセリウスへ行けたことを願う。


 さて、戦場を占拠しているチャイマーの霊魂達の問題に戻ろう。


 私はSergeant Rhorlakに、Reesaの提案を聞き入れ、チャイマーの魂を解放することを進言した。
 チャイマー達は、Gironのペンダントで束縛された際は苦しげに見えたがReesaのタリスマンで解放された際は穏やかそうだったし、私達の先人らを自分の都合で使役するのは良くないと思うから。Sergeant Rhorlakは私の提案に同意してくれた。
 Rii兄弟は大変不満なようだった。戦争が起こっている最中で戦力増強案を蹴るのは愚策かもしれないけど、彼らの案には賛同できなかったのだから仕方ない。

 チャイマーの軍勢を解放するには、その指揮官を解放すればいいそうだ。確かに、軍隊とは指揮官に従うものなのだろう。儀式に必要だからとReesaから頼まれ、私は指揮官とその副官二人の遺品を回収した。指揮官らしきGeneral Radrathrenはご不満のようだったけど。



 Reesaと近くのデイドラ遺跡で合流し、死者を解放するための儀式を行った。General Radrathrenの霊魂に妨害されたが、何とか撃破し、儀式を遂行することができた。


 指揮官を向こうの世界へ送ることができたのだ。部下達はしばらくこの戦場にまだ留まるが、最早脅威ではなく、いずれ指揮官の後に従うとのことだ。


 Reesaから別の頼みごとをされた。荒廃した戦場の土地に再び緑を芽吹かせたいとのことだ。そのようなことができるとは驚きだ。


 頼みを聞き入れ、私は人気のないkwama鉱山へ行き、そこに生えているKwama Capというキノコを採取した。
 どうもこのキノコは採取されると独特のにおいを放つらしく、温厚なはずのkwamaのscribやworkerに襲われてしまったが、何とか鉱山の外へ出ることができた。数体のkwamaを殺してしまったが、これらは女王kwamaが生きている限り卵を産んで補給できるものだから、まあ大丈夫だろう。

 鉱山のすぐ外でReesaは私を待ってくれていた。そこで告白されたことによると、彼女らは文字通り自らを犠牲にする気らしい。その戦場に自然を甦らせるそのためだけに。

 彼女らの意志がこんなにも強固だなんて。Reesaとその助手達は、Kwama Capを用い、その命を捧げて土地の植物と同化した。傷ついた土地を癒すために、自らの身を犠牲にした。
 願わくば、彼女らの犠牲が報われ、この荒れ果てた戦場に再び緑が戻らんことを。


 ……本来の目的に戻らなければ。預言者に会いに行こう。

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