2015/10/09

ESO 53 蟲の城から救い出せ

【リヴィーネの手記】


 預言者から呼び出しを受けた。進展があったのと、それから、どうやら予想外の客がいるらしい。誰だろうか。
 前回はかなり待たせてしまったから、今回は早めに行くことにする。



 少しだけ予測していたが、客というのはTharnの幻影だった。
 預言者は、対話のオーブでSai Sahanの居場所を特定できなかったため、もっと直接的な方法を取ったそうだ。すなわち、オーブの本来の使い方である、Abnur Tharnとのコンタクト。
 Tharnは私の前回の調査で明らかにした通り、Sai Sahanの居場所を知っているが、私と直接話すことを要求したそうだ。
 で、話してみたのだが、火急の用件があると言われた。
 Sai Sahanは王者のアミュレットの在り処を知っている。なのでマニマルコとモラグ・バルの陰謀を止めるためにはSai Sahanの居場所を特定し、助け出すことが不可欠だ。
 Tharnはそれを重々承知の上なのだろう、情報提供の「対価」を求めてきた。
 もしもマニマルコがこの会話のことを知ったら、当然ながら彼は命を狙われる。
 なので公的に亡命をしたいというのだ。元老院の高官が。少し驚いた。
 つまり、Tharnをマニマルコの要塞から救い出し、亡命を成功させたら、彼はSai Sahanの居場所を返礼として教える。
 もちろん罠の可能性もある。しかし選択の余地はない。預言者は憔悴しているように見えた。彼がここまで心身をすり減らしてもSai Sahanの居場所を特定できないのであれば、それを知っている人物に頼るしかない。
 Lyrisはこの計画が気に入らないようだが、私は彼女と共にTharnの救出へ赴くこととなった。




 コールドハーバーに到着。
 Abnur Tharn曰く、ここは哀れな不潔(Wretched Squalor)と呼ばれる場所で、マニマルコの城の外部にある、soul shriven達の粗末な小屋が建つ町だそうだ。
 マニマルコはデイドラの大公の使いに出かけているらしく、城の守備隊は厳戒態勢にはないという。形ばかりの守りにしか遭遇しないだろうと。
 正門からは流石に入れないので、別の道を探す必要がある。
 それだけ話すと、Tharnは消えてしまった。
 さて、目立たないように行動するのは私は得意だが、Lyrisはその長身だけでも人目を引く。どうなるだろうか。




 soul shrivenは概ね無気力な者ばかりだが、そうでなさそうな者がいたので、声をかけてみた。
 Gahznarと名乗ったオークは、マラキャスもこれ以上のものは見れないほど、この蟲どもを屠殺して屍を高く積み上げてやると意気込んでいた。
 城への忍び入り方を尋ねると、Cadwellなら知っているという。あのおじいさん、ここに住んでいるのかしら。




 Cadwellは衛兵の詰所へ連れて行かれたとのことだったので、そちらへ向かった。
 そこにいた衛兵、つまりは蟲の教団の者達は強敵だった。Lyrisがいてくれてよかった。私は治癒師。あくまで得意なのはサポートだ。
 さて、こちらの事情を説明すると、Cadwell卿は案内を申し出てくれた。水路を通れば城に忍びこめるそうだ。ありがたい。




 水路に到達した。ここの城は、不安定なオブリビオンの海の上に建っており、デイドラはその流れを制御するためにパイプを用いているのだそうだ。
 ここの大抵のドアは水流の圧力で閉じられているが、Cadwellがパイプをいじることができればドアは開き、中に滑り込むことができるという。
 しかし、いきなり嬉々としてCadwellが剣を掲げ、デイドラにつっこんでいったのには驚いた。
 しかも中々強かった。


 彼の協力のおかげで、私達は城の内部に入ることができる。Tharnは骨の塔(Tower of Bones)の頂上にいるそうだ。蟲の王は、彼に魂石に関する仕事をやらせているらしい。
 とても力になってくれたのでここから先もついてきてくれないかと頼んでみたが、彼は安全のためにここを守り、背後から私達が襲われないようにしてくれるとのことだ。ありがとう。



 メモを見つけた。隠遁者の日誌というタイトルのそのメモには、蟲の教団の者達が(マニマルコを含めて)Tharnを鬱陶しく思っていることが書かれていた。摂政である彼の娘は贈り物などの手段で簡単に操れるため、父親の助力は必要ないと。Abnurが、自分はマニマルコにとって有用で替えの利かない存在であると勘違いしているのは滑稽だと。




 Abnur Tharnの幻影が現れ、彼の部屋へ続く通路の途中に障壁の魔法が張られたと警告してきた。
 それを破るには、肉の精霊を私が創造し、従わせ、障壁を壊させるしかないそうだ。
 精霊を創造するには、肉を何塊か用意し、研究所へ行く必要があるらしい。またそこで会おうと言われた。



 全体的に気温が低いおかげで、死体や精霊の肉は腐っていなかった。Lyrisは私が肉を切断し回収する度に気味悪がっていたが、私はあまり動じない性格でよかったと思う。


 氷の中にいるかのように寒い研究所へ行き、Tharnの指示のもとで肉の精霊を創造し、その身を犠牲にさせ障壁を破らせた。召喚魔法は専門外なので、手順に従えば簡単にできることでよかった。



 怒涛のように出来事が続いたのでこれを書く時間がなかった。よってこれまでの経緯をまとめて書く。


 まず、私達はドレモラや教団員を蹴散らして進み、無事にTharnのいる塔の頂上へ到達することができた。拷問され殺された人の死体に囲まれた、嫌な雰囲気の祭壇のような場所だった。
 彼はマニマルコの真の目的を教えてくれた。最終的にはモラグ・バルの地位に自分が就くことを、すなわち神となることを目指しているらしい。王者のアミュレットを使えばそれが可能なのだとか。だからSai Sahanに執拗な拷問をしているのだと。


 しかし、やっと会えたのもつかの間、マニマルコの幻影が現れ、Tharnを魔法で転移させ、スケルトンを大量に召喚し、私達は消耗戦を挑まれた。
 聞いていた通りマニマルコは強大な死霊術師であり、魔法を扱うスケルトンすら何体も、何の苦もなく使役していた。


 Lyrisも私も疲労を溜め始めていた頃、Abnur Tharnが戻ってきて、マニマルコと魔法で対決を始めた。


 マニマルコの意識がTharnに集中している隙をつき、私はマニマルコを攻撃して彼の幻影をこの場から消し去ることに成功した。わずかな時間マニマルコの集中を乱せるだけだが、逃げるには十分な時間を稼げたようだ。

 逃走のために、ゴミの落とし樋を通ることとなった。


 逃走路の途中に鍵がかかっている扉があったが、Cadwellがちょうどよくやって来て、開けてくれた。


 私は、共にタムリエルへ来るようにCadwellを誘った。タムリエルは三同盟の戦火とモラグ・バルの侵攻により荒れているが、コールドハーバーよりも悪い場所というのはそうそうないだろう。


 預言者がポータルを開けてくれたため、私達四人はタムリエルへ帰還することができた。

 さて、驚くべきことに、Abnur TharnはSai Sahanの居場所を知らなかった。


 Lyrisは騙されていたことに激昂し、Tharnを殴り倒した。手加減はしていたと信じる。

 それから、預言者から予想外のことを聞かされた。
 Tharnと同様に、預言者とLyrisも私を騙していたと。
 預言者の正体はVaren Aquilariosだと。


 前皇帝。マニマルコにそそのかされ王者のアミュレットを探し出し、自身がドラゴンボーンとなるために偽の儀式を遂行し、タムリエルとオブリビオンの間の障壁を破った張本人。
 正体を偽っていた理由は、私が真実を知れば全ての元凶たる彼に対して怒り、殺そうとするかもしれないと恐れていたからだそうだ。
 預言者もLyrisも私が怒るものだと思っていたようだが、そんなことはない。驚きはしたが、怒りはない。
 彼らは自分で考え、最善と思われる道を進もうとしていたのだと思うから。それに、悪いのは彼らにつけこみ騙したマニマルコだ。

 これから預言者ことVarenは、Abnur Tharnの助けのもと、Sai Sahanの居場所の特定に全力を挙げるそうだ。
 何か分かったらまた連絡してくれるという。




 Cadwellは炎が本当に暖かさを持つことに感激していた。コールドハーバーでは何もかもが冷たかったものね。
 今回の冒険は彼の助けなくしては成し遂げられなかった。感謝している。

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